Columnコラム
目的と手段
目的から手段を探す。
手段から目的を探さない。
このコラムでは、私たちが最も重要視している「目的と手段」について、代表の星が考えをまとめました。最初に、このコラムにおける「目的と手段」という言葉の位置づけについてご説明します。
1. 目的とは、誰かの困った、を解決することです。
2. 手段とは、目的を達成するための道具や方法です。
少々誇張しますが、ここでの「目的と手段」とは、人類にとって価値のあるものを指しています。そして、困っている人や助かる人が多いほどその価値は高くなります。
「目的 → 手段」の順序が重要
私は若い頃から、自分の得意なことを仕事にすることが良いと信じてきました。得意なことを上手にこなせば、周囲から評価され、自分自身も成長できます。また、得意なことは少ない労力で実行できることが多く、効率的に収益を上げることも可能です。さらに、得意なことはしばしば好きになる傾向があり、仕事を楽しむことができます。この考え方は、今も正しいと考えています。
なぜなら、私自身もその思考に従い、長い間プログラマとして働いてきました。プログラミングの能力では突出しているわけではありませんが、自分なりにプログラミングが得意だと自負しています。仕事の中で様々な困難や苦労がありましたが、プログラムを書いているときは常に楽しく、やりがいを感じていました。
自然と、「自分のプログラミング能力を活かして何か新しいことができないか」と考えるようになりました。プログラミングが得意なら、他の人よりも優れた成果を出せるし、問題が発生しても乗り越える自信があります。
その結果、日々プログラミングを使って解決できそうな課題を見つけるようになりました。魅力的で実現可能なアイデアを見つけると、仕事以外の時間を使ってWEBサービスやアプリを開発しました。小さなものも含めると、10個以上の作品を作ったでしょうか。
しかし、作った作品はまったく注目されず、ほとんどの人に利用されることはありませんでした。おそらく、アイデアが十分に魅力的ではなかったのだと思います。失敗の原因はアイデアだけでなく、プロモーションや運営の下手さもありましたが、作った作品は無数のどうでもいいWEBサービスやアプリの一部に過ぎませんでした。
私には、プログラミングで解決するアイデアを生み出すセンスが欠けていることに気付くまで、たくさんの時間がかかりました。自己認識を持った上で、失敗の原因を再考してみると、本当に必要な目的を見つけるためには、もともとの発想が誤っていたことに気付きました。言い換えると、「手段から目的を見つけよう」というアプローチであったため、手段の前提に基づいた目的にしかならず、本当に求められている目的を見つけることが困難だったのです。
このことに気付いてからは、プログラミングで解決するアイデアを追求することをやめました。
目的から手段を探す。
つまり、「目的ファースト」の考え方が正しいのです。
「目的 → 手段」の順序で考えることは当たり前のように思えますが、長い間、プログラミングに夢中になっていた私にはその発想がありませんでした。
目的から手段を、手段をカタチに。
目的から手段を見つけ出し、手段を具体化することが重要です。私たちの日常生活には、目的の原石が潜んでいます。仕事中であったり家事の最中であったり。食事をしているとき、お風呂に入っているとき、散歩をしているとき。道具や器具を使っているときに構造や原理が気になったり。これらの何気ない日常に不便はないでしょうか?
小さなことでも構いません。その不便さを解消することが、立派な目的となるのです。
しかし、ほとんどの人々は、不便さを感じたとしても、解決策を考えることはありません。少しのことくらいなら我慢すればいい、考えたところで実現できるかわからない、もう既に誰かが考えているはずだ、自分には無理、などなど。考えることを強制するつもりはありませんが、時間がある時にはゆっくりと解決策を考えてみてはいかがでしょうか。
私は、不便さという目的を見つけたら、できる限りその解決策を考えるようにしています。ほとんどの場合、適切な手段が簡単に見つかりませんが、稀にいくつかのアイデアが浮かぶことがあります。その中で、自分の得意な分野の手段があれば幸運です。目的を達成するために、より有利な計画を立てて実行できるからです。
ただし、手段を見つけるために必要以上に自分の得意な分野に偏らないように注意しています。先に述べたように、「手段 → 目的」の方向で考えることは得策ではありません。
また、手段が自分の得意分野と一致する目的を見つけるまで、行動を起こさないという選択肢もあります。それは、目的達成の成功率を上げるためです。ただし、永遠に目的が見つからない可能性もあることを忘れないでください。
見つけた手段を最終的に具体的な形にすることが重要だと考えています。手段は世に公表され、多くの人々に活用されることで初めて価値が生まれるのです。
手段を具体化する際には、自分自身だけでは実現できない場合もあるでしょう。その場合は、目的と手段に賛同してくれる仲間と協力して推進することになります。簡単には諦めません。
私たちの挑戦は、目的を明確にし、最適な手段を見つけ出し、多くの手段を具体化することです。
そして、この挑戦が私たちのミッションであり、成功への鍵であると考えています。